A:セラミッククラウンの審美不良の要因としては、色,形態の不良の他に、マージン部の黒ずみがあげられます。下記にて患者さまから質問が多いマージン部の黒ずみについて説明いたします。
〜原 因〜(1)加齢により歯肉が後退して変色した歯根が見えるとき | (2)20才前後の最も歯肉の後退変化の大きい時期にクラウンを被覆したため歯根が見えるようになったとき (19才の時に装着とのこと。写真は21才時) |
(3)変色した歯根が歯肉を透過して黒ずんで見える時(日本人は歯肉の薄い人が多い) | (4)清掃不良や不適合(フィットしていない)なクラウンのために二次う蝕になった時 |
(1) 安易に神経を抜かない。 神経のない歯は必ず変色し、破折し易くなります。 変色してしまった歯根を漂白することは非常に困難です。 神経のある歯であれば歯根が変色しないので、多少歯肉が後退しても境目は目立ちません。 |
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(2) 若年者(20才前)にはなるべく被覆しない。 とくに神経は抜かない。 誰でも加齢により歯肉は後退しますが、20才前後は変化が大きく、22〜40才位までは変化は僅かです。 |
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(3) クラウンは削った歯(支台歯)に完全フィットさせなければなりません。 基本どうり治療すれば、金属を使ったクラウンでも黒ずんでくることはありません。
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(4) 神経を抜いた歯は変色を最小限に抑えるため、土台(支台)を金合金、ファイバーポスト、セラミックを用いる。
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(5) オールセラミッククラウンを使用するか、メタルボンドの場合は外側(唇、頬側)のマージン部をセラミックにする。 (オールセラミックはメタルボンドに比べ歯を削る量が多くなりますので、年齢,かみ合わせなどを考慮して神経を抜かなければ出来ない時は避けるべきです。)
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A:日本補綴歯科学会の補綴歯科についての項にわかり易く説明してありますのでご覧ください。